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ロックの部屋

ロックの部屋

Caravan

Caravan(キャラバン)



1967年~1969年あたりに出されたロックアルバムの音は、私がロックの歴史の中でも1.2に好きな時代の音です。

オルガンを主体にしたサイケデリア、時にジャズ風でありフォーク色もある。【キャラバン】のファースト・アルバムもまさにそれ。プログレッシヴ・ロックに至るまでの過度期的な音と言ってしまえばそれまでだけど、このポップさと構えずに聴ける優しい音は心地よいです。

今年の7月号のレコードコレクターズに彼らのインタヴュー記事と現在の彼らの姿が載っていましたが、もう60歳過ぎのオジサン達のようだけど、柔和な笑顔が印象的でした。キャラバンのような中堅バンドが今も音楽で飯を食っていけるのかと思うと、何故か嬉しい。自分達のオリジナルな音楽を年取っても楽しめるなんて素敵です。

ところで、このファーストアルバムはインタヴューの内容を読んでみると、彼らは必ずしも評価していないようなのです。レコーディングはたった2週間で終わってしまい、ミキシングはやらせてもらえず、バンドのいない間に勝手にプロデューサーにミックスされてしまったとかで……納得いっていない様子です。

フワフワ漂うデヴィッド・シンクレアのオルガンにヴォーカル、エコーが気持ちよいです。これも実は、バンドが意図したものではなかったとか。

コンプリート・エディションとして、このアルバムにはオリジナルモノーラルヴァージョンとステレオヴァージョンで8曲ずつあって、2度楽しめます。音をクッキリさせてエコーをやや押さえ気味にしたように聞こえるステレオヴァージョンの方が彼らの意図したものなのかも。まぁどっちも良いですけどね。

ロックにメランコリーや夢幻、牧歌的なものを求めたい時に、キャラバンのファーストはきっと聴き手を満足させてくれるものと思います。

                          (2004-08-23記)


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